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プリンとプディング
最近「プリン体」というものを減らしたビールや発泡酒が話題になっています。なんでも痛風の原因になるのがプリン体という物質らしくて、そもそも細胞のDNAには必ず含まれるものだそうです。でもおかげで、プリンのイメージが悪くなってしまったという方もいるのではないでしょうか。もっともプリンとプリン体は関係ないそうですが。

ご存知のように、プリンというのは日本での呼び方で、発祥地のイギリスではプディング(pudding)と呼ばれています。そうです、お菓子にはめずらしくイギリス生まれなんですね。もっともイギリスでいうところのプディングというのは、かなり広い意味があるようです。今回はそんなプディングについてご紹介します。

プディングの歴史は古く、5〜6世紀には作られていたそうで、イギリスに古くから伝わる伝統的な味、あるいは調理法をさしています。ただしその定義は結構あいまいで、一応蒸して作るのが基本ですが、ゆでたり焼いたりして作るプディングもあります。
植木鉢を少しふくらませたようなプディング型(いわゆるプリン型ですが大きさはさまざま)に材料を入れ、ダブルボイラーという二重鍋の中で蒸したり、あるいは深い鍋にお湯をわかして、プディング型ごとその中で煮て作ります。鍋の中で蒸されているプディング型がカタコトぶつかる音を、イギリスでは「プディングのなべが歌を歌っている」と言うそうです。

はっきりした記録はありませんが、プディングは江戸時代の終わりには日本に入ってきていたようです。そして明治5年に出された「西洋料理通」という本で、初めて「ポッディング」という名前で紹介されています。その後「プリン」「プッジング」「プデン」など明治時代を通していろいろな表記がされましたが、最終的に言いやすく親しみやすい「プリン」に統一されていったようです。
江戸から明治にかけては、聞こえた音をそのまま日本語に取り入れる例がありますが、プリンなんかはその代表といえますね。

日本ではプリンといえばカスタードプリン(プディング)ですが、本場イギリスには実にさまざまなプディングがあります。まず有名なのは、クリスマスに食べるクリスマス・プディングでしょう。これはドライフルーツやナッツを、小麦粉,砂糖,卵,牛脂(スエットといってイギリスの料理ではよく使われます)などと混ぜて、型に入れて蒸して作ります。食べるときにブランデーをかけて、それに火をつけます。イギリスの代表的なクリスマスのお菓子で、とても日持ちをするので、1年前に作っておいて、クリスマスになるともう一度蒸して食べるということもあります。
他にも、お米を牛乳で煮て卵を加えてから蒸すライス・プディングや、型にペイストリーを敷いて牛肉のフィリングを入れ、ペイストリーでふたをしてから蒸すステーキ&キドニー・プディングなどなど。お菓子からちゃんとした食事まで実にさまざまで、「プディングとは?」と聞かれても、とてもひとことでは答えられません。

まあいろいろ背景はありますが、すっかり日本のお菓子として定着したプリン。コンビニでもいろいろなバリエーションが並んでいます。これからも日本独自の発展を期待したいですね。

 

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