おさびし山のホームメードケーキ
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あんことは
あんことは、いわゆる「餡」のこと。あんぱんやお饅頭でおなじみです。洋菓子の甘さとは一味違う素朴な風味は、やはり和菓子ならではです。今回はそんなあんこについてご紹介しましょう。

あんこといえば、普通は小豆の粒あんやこしあんを思い出しますが、さつまいもで作ったいもあんや、栗で作ったくりあんなんかもよく聞きます。そもそも餡とはどんなものを指すのでしょうか。江戸時代の初めにポルトガル人宣教師のために作られた辞書には、「餅や饅頭の中の詰め物」と書いてあるそうですが、お饅頭などにいれるものを、ひろく餡とよんだようです。
饅頭は室町時代ごろに中国から伝わったようですが、中にいれるものは肉類が中心でした。ちょうど今の肉まんのような感じでしょうか。しかし仏教では肉食を禁じられていたので、お寺などでは肉の代わりに小豆などを使うようになったのです。とはいえ、当時は砂糖がなかったため、どうも塩味のあんこだったようです。どんなお饅頭だったのでしょうね。
その後室町時代の終わりごろから南蛮貿易によって砂糖が輸入されるようになると、あんこに砂糖を入れるようになったのです。しかし最初のころは砂糖は高級品だったため、当然庶民の口には入らず、甘いあんこを使ったお饅頭などの和菓子が広まったのは、江戸時代の中ごろ以降です。砂糖の輸入が増え、また徳川吉宗がさとうきび栽培を奨励したのがきっかけでした。

今では、小豆やいんげんなどの豆類、あるいは栗やさつまいもを煮て、砂糖を加えて練ったものを、ひろくあんことよびます。しかしやはりあんこといえば、小豆あんですね。深い色あいや、なめらかな舌触りや風味は、やはりあんこの代表と言えるでしょう。
粒あんのことを小倉とも呼びますが、小豆の赤を有名な小倉山のもみじになぞらえたとも、また粒をもみじにゆかりがある鹿の模様(鹿の子模様)に見立てたとも言われています。日本らしい風流が感じられますね。
それではそんな小豆あんの作り方を簡単にご紹介しましょう。

●材料(あんのできあがり:600g)
・あずき 2カップ
・砂糖 250〜300g
・塩 ひとつまみ
●粒あん
(1)あずきは水洗いして、虫食いやしわのあるもの(煮ても硬いのでだめです)など質の悪いものを取り除き、3〜4倍のたっぷりの水で柔らかく煮ます。
(2)沸騰してきたら、皮の表面をのばすために水を差します。(びっくり水といい、豆の組織をこわすことで、早くやわらかくなります)
(3)アクぬきをします。水道の蛇口に布などを巻いて水を伝わせます。あずきが踊らないぐらいのごく少量の水を流し、にごった紫色が抜けて、透き通った水に変わってくるまで、静かにアクを抜きます。
(4)親指と小指でつぶせるぐらいに柔らかくなるまで煮ます。
(5)少しの水を残して、さらに余分な水分は蒸発させます。
(6)とろ火にかけ、砂糖を入れてよく溶かしてから、粒をこわさないように練ります。こうするとつやがよくなります。
(7)なべ底に木べらをあてて、字が書けるぐらいにねっとりするようになったら練りあがりです。塩を一つまみ加えて火を止めます。
●こしあん
(1)あずきは水洗いして、虫食いやしわのあるもの(煮ても硬いのでだめです)など質の悪いものを取り除き、3〜4倍のたっぷりの水で親指と小指でつぶせるぐらいに柔らかくなるまで煮ます。
(2)目の細かいざるや裏ごし器などでもむようにすりつぶします(できれば竹ざるがよいです)
(3)さらしで作ったこし袋に移します。袋は縫い目を外側にして使います。
(4)水道水をこし袋に流し、しばらく流水でアク抜きをします。
(5)力を入れてこし袋を絞り、あんをひとまとめにします。軽くたたくと、うまく水気がきれます。
(6)とろ火に砂糖を加えた水(約50cc)をかけ、砂糖が溶けたら、あんを加えて練ります。
(7)木べらを「の」の字を書くように同じ方向に動かして混ぜると、白っぽくならずに、つやのよいあんができます。
(8)とろ火でじっくり時間をかけて、ねっとり練り上げて、仕上げに塩を一つまみ加えてできあがりです。
(9)白っぽくなると、舌触りがざらついたあんになるので、手間をかけてあずき色に仕上げるのがポイントです。

 

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