おさびし山のホームメードケーキ
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サクランボのお話
果物のルビーともいわれるサクランボ。その赤くみずみずしい輝きは、雨の季節にもよくあいます。今回はそんなサクランボについてご紹介します。

サクランボは通称で、正式な名前はオウトウ(桜桃)といいます。英語ではチェリー(cherry)ですね。
サクラの一種であるセイヨウミザクラの実が、一般にいわれるサクランボで、甘くて食用に適しているので、スイートチェリー(甘果桜桃)と呼ばれます。他に酸味の強いサワーチェリー(酸果桜桃)や中国原産の中国桜桃などがありますが、日本では作られていません。

原産はアジア西部から黒海沿岸と言われていて、ヨーロッパではすでに紀元前から栽培されていました。16〜17世紀には、イギリス、フランス、ドイツなどで盛んに作られるようになり、18世紀には開拓者によってアメリカ大陸にも広がりました。農業がうまくいかなかったときに、サクランボで命を救われた開拓者も多かったそうです。
日本には江戸時代始めに中国桜桃が伝来しましたがあまり普及せず、明治の初めにフランス、アメリカから導入したのが、サクランボ栽培の始まりです。
しかしサクランボの木は、日本にあるサクラとは違って高温多湿に弱く、最初のころは大変苦労したようです。おもに東北地方と北海道で試みられましたが、中でも官民一体で熱心に研究をすすめた山形が、1890年ごろ最初に栽培を軌道にのせることができました。山形県は今でもサクランボのおもな産地として有名で、国内の生産量の約7割を占めています。

サクランボの旬は、5月下旬から7月上旬ぐらいと短く、やわらかいので輸送に弱く、日持ちもしないので、生で食べられる量はあまり多くありません。それが高級な果物となっている一因でもあります。農家にとっては実入りがよいということもあり、年々耕地面積が増えている、数少ない果物のひとつです。
加工品としては、缶詰やジャム、砂糖漬け、リキュールなど、意外と多くのものが作られています。お菓子の材料としては、マラスキノチェリーやドレンチェリーなどが一般的ですね。
マラスキノチェリーとは、もともとイタリアのマラスカチェリーを原料にしたマラスキーノというリキュールに、チェリーをつけたものです。しかし最近は、工業的に作られるものが多く、砂糖液に漬けたまま売られているものは、マラスキノスタイルチェリーと分類されます。緑や赤などの鮮やかなものが多いです。
ドレンチェリーは、糖度70%以上になるまで糖液を果肉に染みわたらせて、それを少し乾燥させたものです。
サクランボを使ったお酒としては、ブランデーにサクランボと砂糖を2ヶ月ほど漬けて作るチェリーブランデーや、サクランボを原料にして発酵,蒸留させて作るキルシュやキルシュワッサーがあります。

最後におもなサクランボの種類をご紹介します。
・佐藤錦
1915年に山形県東根市の農家の佐藤栄助氏によって作られた品種。現在日本で作られるサクランボの3/4は佐藤錦。
ナポレオンと黄玉の交配種で、鮮やかな黄色に赤い斑点が入る。5g前後の中粒で、果肉やわらかく果汁が多く味がよい。6月上旬〜中旬に熟する。
・ナポレオン
ヨーロパで多く栽培される代表的な品種で、すでに18世紀から作られていた。
黄色地に鮮やかな紅色の斑点が入る。熟すとつややかな赤になる。7g前後の大粒で、果汁が多く適度な酸味と芳香がある。皮が厚く、比較的輸送に強い。晩成で6月下旬〜7月上旬に熟す。
・黄玉
アメリカ産で、ガバナー・ウッドあるいはガバナーが本名。黄色に紅色の斑点が入る。5g前後の中粒で、果肉柔らかく果汁が多く、甘味と芳香があって品質はとてもよい。6月中旬が旬。
・高砂
アメリカ産で、ロックポート・ビガローが本名。日本では、佐藤錦についで生産量が多い。赤みがかった黄色地に鮮紅色の斑点が入り、熟すと鮮紅色一色になる。果肉やわらかく果汁が多く、甘みが強い。種がとれやすく食べやすい。6月上旬〜中旬が旬。
・ビング
いわゆるアメリカンチェリーの代表。7〜8gの大粒で、黄色に赤い斑点があるが、熟すにつれて濃い赤色になり、成熟すると赤黒くなる。果肉も濃赤色で、果汁多く甘み強く、食べやすい。実が固く日持ちする。6月下旬〜7月上旬に収穫。


 

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