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気になるお酒 〜シェリー

お菓子作りにはあまり使わないけど、甘かったり、おいしそうだったり、ちょっと気になるけどよく知らないお酒って結構あります。そんなお酒をご紹介していきます。

今回ご紹介するのはシェリー。名前は聞いたことがあるけど、どんなお酒か良く知らないという方が多いのではないでしょうか。
シェリーは酒精強化ワイン(英語でフォーティファイド・ワイン)と呼ばれるワインの一種です(他にポート、マデイラ、マラガなどがあります)。酒精とはアルコールのことを指し、普通のワインにブランデーを足して作ります。
なぜブランデーを足すかといえば、もともとはそれ以上発酵を進めず、品質を安定させるためでした。ワインを船で運んでいると、発酵しすぎてしまうことがあったのです。
ブランデーを足すタイミングは、ワインの発酵途中と、発酵が終わってからのどちらかですが、前者の場合はブドウの糖分が残るので甘口になり、後者の場合は糖分がほとんど分解されてしまうので辛口になります。シェリーは後者が多く、ポートやマデイラは前者が多いです。

シェリーの産地は、スペイン南部のアンダルシア州のヘレス周辺。ここにある3つの都市でつくられたものしか、シェリーとは名乗れません。ただしシェリーは英語で、現地ではビノ・デ・ヘレスと呼ばれます。
なぜ英語かというと、シェリーはイギリスでもっとも多く飲まれるお酒なのです。今でもその多くは、イギリスに輸出されます。
シェリーとは、スペインがイスラム教徒に占領されていた時代(8世紀から13世紀)のヘレスの呼び名「シェリシュ」を、英語読みしたものが語源と言われています。その当時から、イギリスに輸出され、親しまれていました。

シェリーは、パロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテルという3種類の白ブドウのいずれかを原料にして作られますが、そのうち95%を、パロミノが占めます。しかしできあがったお酒は、白ワインのような淡い色から、エスプレッスコーヒーのような濃い色まで、また風味も実に多くのバリエーションがあります。それは、複雑な製造工程の違いによります。
それらについて、簡単にご紹介しましょう。

まずもっとも多い、パロミノから作られるシェリーについて。
パロミノで作ったワインを置いておくと、空気に触れた表面にフロールという、酵母による膜ができます。このフロールが、シェリーの風味に大きな影響を与えるのです。
・フィノ
フロールが出来た段階で15%までブランデーを加え、熟成させたものをフィノと呼びます。透明ですっきりとした辛口。ドライシェリーの代表で、フロールの影響でツンとする香りが特徴。食前酒として親しまれてきましたが、いろいろな料理に合うので、食中酒としても楽しめます。
・アモンティリャード
フロールがなくなった、あるいは取り除いた状態で、17%までブランデーを加えて熟成したもの。
・オロロソ
フロールがつかないようにして、18%までアルコールを加えて熟成。空気に触れて熟成されるので、アミノ酸や糖質が酸化されて色がつき、味はまろやかになります。よくワインに例えてシェリーの赤と呼ばれます。

ペドロ・ヒメネス、モスカテルから作られるシェリーは、パロミノとは製法が違います。
まずブドウを天日干しして干しブドウにし、その果汁を絞って発酵させて、ブランデーを加えて発酵を止めます。それを樽で熟成させることで、黒蜜にも例えられる、濃い色の極甘口のお酒ができます。
とても甘いので、食後酒にしか用いませんが、アイスクリームにかけたり、牛乳やアイスコーヒー、ジュースなどと混ぜてもおいしくいただけます。

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